ゲンジボタル・産卵から孵化 
2003年
ホタルの卵と孵化の瞬間
 世界中にホタルの仲間は約2千種いるといわれています。そのうちゲンジボタルとヘイケボタル、クメジマボタルのように幼虫期を水中で生活するホタルは珍しく世界中で10種いないといわれるほどです。
 卵で産まれて23日目に体をくねらせながら卵から這出るのです。上の写真は、孵化の瞬間です。他の卵を見ると幼虫の背部の紋がはっきり写っています。
 コケに産み落とされた瞬間からホタルの厳しい人生が始まり、親が産み落とした場所が水辺から離れていると、水に入るまでに数時間から時には、数日かかることもあり、それだけ天敵に襲われる率も高くなるのです。

 ホタル観察容床
@産卵床
Aホタルの雄、雌を採取し産卵床に放します。
B交尾は、1から2時間確認できます。
C卵を産むときは、発光したまま赤い産卵管をコケのすき間に差し込むように産み続けました。

 1匹のホタルから500〜1500個の卵を産まれます。
・産卵床で産ませると、それ以上産まれることが分かっています。
・コケに朝晩霧をかけます。(成虫になると餌を食べず水を飲むだけです)

 コケに朝、夕霧を吹きつけましょう。
・ホタルは梅雨の時期に産卵します。自然界では雨降りもあれば晴れる日もあり、卵が日光に当って乾いても死ぬことはありません。

 ホタル飼育に使用する水
・水道水には塩素が含まれています。直接使うと、成虫や卵が死んでしまいます。
塩素を消すのに、お茶の葉、かんきつ類の皮を少々入れ、24時間ほど汲み置きした水を使います。
(汲み置きしている水は日光にも当てた方が良いでしょう)

@産卵器

A雄、雌ボタルを入れる

B交尾

C産卵時の発光

D卵の色が白ぽくなって幼虫の背部の紋が目立つようになると孵化が近づくのです。産卵してから23日で孵化が始まりのでその前に、水辺に設置しなくてはなりません。
 水槽の上に設置してエアーを入れ1〜3mmの稚貝を10匹程入れ準備をします。(中心のコケはFを上から写した画像です。ホタルの成虫もご覧いただけます)(産卵から23日目に孵化が始まるといわれています)
(夜間はホタルが活発になります。Hのようにペットポトルをかぶせています。
 ホタルは、昼間は眠っていてあまり動きません。(ホタルに水がかかった時、日光があたった時、風や振動で動きます。)
Eホタルの卵は白ぽくなりました。(初期産卵からは20日目)
F孵化したか確かめるには、拡大鏡で確認しましょう。稚貝が幼虫に襲われると異常な動きをします。
G孵化してから数日後稚貝(3mm)を補食している無数の幼虫、稚貝から離れた1匹の幼虫は約1mm(産卵してから25日目幼虫を発見)
D孵化の準備

E卵

F稚貝の異常な動き

G絡み合い


・ホタルの成虫、幼虫、ホタルの餌カワニナ、採集場所お問い合わせについては、ご遠慮願います。
・これからホタル保護活動をされる方で、ホタルの成虫、幼虫、カワニナなどをお探しの場合は、近くのホタル関係者に相談しましょう。