カワニナ
カワニナ
ガラスの藻を食むワニナ

 ゲンジボタルやヘイケボタルを沢山飛ばそうとする時、その地に生息しているカワニナなど巻貝が自然繁殖する川づくりをすることから始めます。幼虫の餌は、地方によって違いがあり何を捕食しているのか調べ、よそから持ち込むことなくその地方に生息している巻貝を繁殖させましょう。

 岐阜県中濃や南飛騨地方も、高度経済成長以降、落葉樹を伐採し、杉やヒノキの植林がされその後、山林を手入れする人がいなくって放置されています。そのため、保水力の低下になった原因ともいえよう。
 道路の舗装、家周りや水路のコンクリート化で異常気象による豪雨、山の保水力の低下などで毎年のように繰り返される洪水で水生生物が流されています。当然ホタルの幼虫やカワニナも流されているのです。

 なぜカワニナを養殖させる必要があるのか
 「洪水でホタルの幼虫やカワニナが流され何年もホタルが飛んでいません」・・・よく聞く話です。
 どうしたら昔のようにホタルが飛ぶようになるのか?問われます。
 そんな時、カワニナを養殖していると、洪水で流された時でもカワニナを放流することで比較的短期間にホタルを殖やすことができるのです。

・カワニナの保護
 開発、工事などでカワニナに悪い影響がある時は、カワニナを採集して適したところに放流して保護するのです。
・養殖用カワニナの採集
 全てのカワニナを採集するのでなく間引き採集してください。
・カワニナの採集時の注意
 川の中では稚貝もいるので、できるなら川に入らないで採集しましょう。
カワニナを採集する用具です。
右の画像をクリックでカワニナを採集するときの道具が見られます。


 大型水槽内のカワニナ

・大型水槽でカワニナの養殖
 水槽には、エアーポンプと浄化機をつけて水が入れ変わるようにします。
 水槽に細かい砂を入れコブシ大の石を数個入れます。(藻を生やして餌にするためです)
 水草を植えるのも良いでしょう。
 餌は野菜などの葉、果物の皮、残飯を底に沈めます。
 餌のやり過ぎは水質悪化の原因になるので餌を食べつくしてから与えるか餌の食べ残しを取り除いてから与えます。
・池などでカワニナを養殖
 カワニナを池で養殖することができます。

・交尾・産卵をうながす容器
 左のペットポトルは、学校のビオトープや池、川で使うものです。使う場所に合わせてお作り下さい。固定するひもを付けておくと便利です。
 容器は、水が入れ替わるようにドリルなどで穴を開け、カワニナを4〜6匹放しますと交尾をはやくさせることができます。4〜5日で産卵させる為に、他のカワニナと入れ替えます。(餌は、ジャガイモの皮を少々入れます)
※ペットポトルの黄色のワクは出し入れする口です。
 白い線まで水中に入れます。

カワニナの交尾を促す容器です。
・カラをつくる餌
 コンクリートで固められた川では、貝ガラをつくる成分が不足しています。卵のカラ、カキガラ、その他貝の砕いたものをあたえるといいでしょう。ホタルの幼虫に食べられた後の殻も養分になります。
 川では、葉の分解した物も食べています。

F昔からの水路はカワニナを育てるのに適しています。
 土を固めたり、石を積み重ねて作られた昔からある、巾の狭い流れの緩い水路、近くにありませんか?・・・そんな水路は洪水時でも安定した水量で、カワニナが流される心配がないので育てるのに最適です。

カワニナ
ガラスに生えた藻を食べるカワニナ





ホタルとカワニナ養殖・水ゴケ植え付けのスケジュール
月日 ホタルの一生 水路 カワニナ専用の池 産卵用のコケの植え付け
1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月
幼虫の成長期

幼虫の上陸
サナギ期
羽化〜飛翔

産卵〜孵化

幼虫の成長期







水路でカワニナをふやし
幼虫飼育用のエサにしたり、
川に放流することができます。

採取は4月〜11月までできますが
全て捕るのでなく、間引き採取
するように心掛けましょう。






幼虫飼育用のエサにしたり、
川に放流することができます。

採取は年間加納です。






植え付け








植え付け
注意   カワニナの産卵と放流
・自然界のカワニナは、5〜11月初旬までごろまで産卵します。
・養殖用の水槽の水温を13〜20℃に保てば一年中産卵します
・放流は、洪水の発生する時季はさけましょう。
  コケの植付け
・洪水で流されない
ところに植え付けましょう。


ホタルの幼虫がカワニナを食べています。 いろいろなカワニナ 幼いカワニナ
ホタルの幼虫の食事 カワニナ 稚貝

   その他
 孵化したばかりのホタル幼虫の餌について
 孵化した小さな幼虫の餌は、幼虫と同じ大きさの小さなカワニナ(稚貝)です。

   カワニナについて
1)カワニナは一匹が雄雌両方のはたらき(雌雄同体)をします。
2)ワニナは一度の交尾で数多くの稚貝を産みます。
3)5月〜11月初旬頃まで稚貝を産みます。

   タニシのなかま
・タニシのなかまは、たまごが親の体の中でかえり、小さな貝で産まれます。
・カワニナ小川など水の緩やかな流れに住んでいます。(カワニナの種類も数多くいます)
・ヒメタニシ関東地方の池や沼、田などに多く見られます。
・マルタニシ田や池で見かけます。
・サカマキガイ日本全国の池や沼にすんでいます。

・池でカワニナを養殖しましょう。
・水槽より簡単、確実に殖やせます。