クロマドボタル幼虫の飼育を試みると餌不足になることがあります。幼虫は飢えには強いが餌不足になると死んだり成長が遅れ原因になります。そこで、餌不足を解消する為に魚の水槽を使って小型の陸生の貝の養殖を試みることにしました。
 小型の陸生の貝類は、草木の葉や野菜、果物、腐葉土、木や石につくコケ、昆虫の死骸など食べます。特に扱いやすくてマイマイが好んで食べるのは、朴の落ち葉で晩秋のころ拾い集めて保存して使っています。
 朴の落ち葉を使って自然界にいる陸生の貝を採集しています。
 マイマイの生息を確認し同葉を4、5枚重ね重石を載せ一昼夜置きます。・・・そうすると、おもしろいように葉に食みつきます。

 養殖器(縦30cm×横60cm×高さ35cm)は、春〜晩秋までは、野外の雨風を防げる軒下に置いて繁殖させています。陸生のホタルの幼虫を年中室内で飼育すると寒い時季でも餌のマイマイが要ります。「里山ホタル」では、12月初旬〜3月下旬まで、室内に持ち込んで繁殖を試みています。
@ 水槽の底には、水はけのいい畑の土を約4cm入れその上に保水力のある園芸用の腐葉土を約6cm入れています。冬季を迎えるため10月中旬には、腐葉土を7cmかさ上げしました。さらに、表面の湿り気を保つため朴の葉を重ねて使っています。
 腐葉土の上には、直接朴の葉を置かないで土台代わりに小枝や竹炭を置いてその上に朴の葉を積み上げています。葉と葉の間にも小枝や竹炭を置いて陸生の貝が自由に移動できるようにしています。空間をつくることで冬季でも活発に移動して枯葉を食べ成長します。


@ 縦30cm×横60cm×高さ35cm

ホソオカチョウジガイ(10mm以下)

 2006年12月下旬プランターに花を植えるためプランターを持ち上げたところ沢山のキセルガイ(陸貝)の殻を見つけました。陸貝が繁殖していると思われたので周辺にあるプランターの土を換えないで冬の花を植え付け肥料を控え目にして春を待ちました。
 5月の中旬頃から数は少ないものホソオカチョウジガイ(キセルガイ)10mm以下が見られるようになりました。
 日が経つにつれ数が多くなってプランター周辺で繁殖しているのを確認。
 秋は10月初旬から減り始め下旬には殆ど見られなくなっています。

 プランターで繁殖しているホソオカチョウジガイは体長10mm以下で小型の巻貝で陸ボタル(クロマドボタル)幼虫の餌になると思われるのキセルガイを採集して魚用の水槽で繁殖を試みました。
 餌は、手のひら大の野菜くずやタナゴの餌を撒いています。
 ※餌は、短時間で食べつくす量にすること。穀物を細かく砕いた物を餌として与える過ぎると食べ残しにカビが発生する原因になります。

 下のホソオカチョウジガイ(写真)は、川辺町石神地区で採集したものです。 
@白菜に群がるホソオカチョウジガイ。
A産卵場所に適しているのか?コケの中に多く産卵しました。
B殻をつくる餌として卵の殻を細かくすりつぶし与えるとホソオカチョウジガイが集まってきます。
@白菜を食べるホソオカチョウジガイ

Aコケの中に産卵しました

B卵の殻を与える

 下のホソオカチョウジガイ(写真)は、約9mm以下で川辺ダム湖沿いの比久見地区で採集したものです。